ホルモン分泌の変化
私たちの体内では、大切なホルモンの分泌が加齢とともに大きく
変化し、私たちの体を若者型から中年−老人型へと変化させています。
ここでは年齢とともに変化する代表的なホルモンについて見ていきます。
加齢とともに低下するホルモン
●ヒト成長ホルモン(hGH)
人体にとって最も重要なホルモンの一つで、脳下垂体で生成、分泌されます。
この成長ホルモンの刺激で、IGF-1(インスリン様成長因子-1)と呼ばれる
成長因子が肝臓で分泌され、成長ホルモンと二人三脚で、組織、骨、軟骨、
筋肉、皮膚、肝臓、腎臓の成長をつかさどります。
「hGHレベル」は30歳前後から低下し始め、その後10年で
13%も低下してしまいます。
健康な状態を維持し、若さを保っていくためには「hGHレベル」の低下を防ぎ、
可能な限り増加させることに努力しなければなりません。
※成長ホルモンを日常生活の中で増やしていくために以下の事柄が望まれます。
・毎日40分間、汗をかくくらいのウォーキング
・7時間程度の睡眠
・1日に約70g(50kgくらいの体重の人)のバランスのとれたタンパク質の摂取
・サプリメントの中で、アミノ酸、特にアルギニンを摂ること
●メラトニン
脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンで、脳下垂体後葉の
メラニン細胞刺激ホルモンに拮抗する作用があります。
・驚くべき抗加齢効果のあるホルモン(強力な抗酸化作用がある。)。
・免疫力を高める力がある。
・コレストロール値を下げたり、がんの予防やその治療に大いに効果がある。
●DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)
副腎でつくられる全てのホルモンの源。
DHEAからは実に50種類以上のホルモンがつくられる。
・体の筋肉を増やし、脂肪を減らす。
・抗糖尿病作用がある。
・免疫力を高める作用、抗腫瘍作用がある。
・乳がんの発症抑制に効果がある。
●テストステロン(男性ホルモン)
精巣の間質細胞で産生される男性ホルモンで、いわゆる男性の
特性を亢進させる働きをする。
・積極性の亢進、性衝動の促進
・筋肉、皮膚、骨を形成するためのタンパク利用の促進、
ある種の臓器の成長促進
・精子生産の刺激
・男子泌尿器、生殖器組織の育成、前立腺成長のコントロール
●エストラジオール(女性ホルモン)
エストロン、エストリールとともにエストロゲンと総称される女性ホルモン。
・卵巣で生成され、月経周期や子宮内膜の周期的な変化などを
コントロールする。
・強力な抗酸化物質として、フリーラジカルによる臓器障害を防ぐ。
・皮膚の結合組織「コラーゲン」の生成を支援する。
・骨質維持に貢献し、骨粗しょう症を予防する。
・アルツハイマー病の強力な予防法として注目する研究者が増えている。
加齢とともに増加するホルモン
●コルチゾール(副腎皮質ホルモン)
ストレス時に大量に放出され、ストレスに対抗する力の源になります。
しかし、現代のように長期間ストレス下にあると、過剰のコルチゾール
に長期間暴露されることになり、体にとって不都合な面も多く出てきます。
・筋、皮膚、リンパ組織に対して細胞異化作用(細胞を壊す)があります。
・肝臓に対しては糖分をつくる作用があり、結果的に高血糖になります。
・強力な抗炎症作用があります。
・免疫抑制作用があります。
・骨に対しては異化的(壊す)方向に働き、骨粗しょう症を起こします。
●レプチン
別名「肥満ホルモン」と呼ばれ、脂肪細胞から分泌されるペプチド
(アミノ酸の複合体)ホルモン。
レプチンは40歳以降、加齢とともに増加し、特に肥満すると高レプチン
状態が出現します。高レプチン状態が長期間続くとインスリン抵抗性を
引き起こし、糖尿病や動脈硬化へと進展していきます。
●ホモシステイン
ホモシステインはイオウを含むアミノ酸で、新しい動脈硬化危険因子として
注目されています。したがって、ビタミンB群の補給を行って、
常に血中ホモシステイン値を低値に保つ必要があります。
参考文献:「よくわかるアンチエイジング入門 老化を防ぐ知恵とコツ」(主婦の友社)
