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ダークチョコレートは本態性高血圧やインスリン抵抗性を改善する

 ポリフェノールの一種であるフラバノールが豊富に含まれるダーク
チョコレートの摂取により、健康な人の血圧は下がり、
インスリン抵抗性も改善されると報告されている。
伊L’Aquila大学のDavide Grassi氏らは今回、本態性高血圧(EH)患者
にも同様の利益が見られることを明らかにした。
詳細は、Hypertension誌2005年7月18日号に報告された。

 フラボノイドが冠動脈疾患、癌、脳卒中による死のリスクを減らす
ことを示唆するデータが蓄積されている。
フラボノイドは、果物、野菜、茶、 赤ワイン、チョコレートに多く含まれる。
フラボノイドの中でも、カテキンなどのフラバノールを多く含む食品には、
循環器への利益が予想される。

 研究者たちは、本態性高血圧患者に対するダークチョコレート
の作用を、24時間モニターを用いた血圧測定や、
内皮依存性血管拡張反応を示すFMD(Flow Mediated Dilation)の
測定、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)などにより評価した。

 治療経験のないグレード1のEH患者(平均年齢43.7歳)20人が対象。
糖尿病と耐糖能異常がある者と、喫煙者、飲酒者は除いた。

被験者を2群に分け、当初7日間は、全員がチョコレートはもちろん
カカオを含む製品を食べずに過ごし、その後、1日100gの
ダークチョコレート(88mgのフラバノールを含む)、
または90gのホワイト・チョコレート(フラバノールを含まない)を
15日間摂取した。チョコレートの熱量はいずれも480kcal。

 その後、再度7日間のカカオなし期間をはさんで、
クロスオーバーを実施した。
試験期間の食事は、摂取カロリーの総量が試験前より増加する
ことがないように調整。
各期間の終わりに計4回、24時間血圧、FMD、OGTT、
血清コレステロール値、血管炎のマーカー(高感度C反応性
蛋白質とICAM-1)を評価した。

OGTTから、インスリン抵抗性の指標であるホメオスタシス・モデル
(HOMA-IR)、量的インスリン感受性検査指数(QUICKI)、
インスリン感受性指数(ISI)を算出した。

 試験期間中に、BMI、体重、HDLコレステロール値に変化はなかった。
ホワイトチョコレート摂取期間後には、総コレステロール、
LDLコレステロール、トリグリセリド値にも変化はなかったが、
ダークチョコレート摂取後には、これらは減少していた。

 ダークチョコレートは血圧も下げた。
24時間収縮期圧が-11.9±7.7mmHg(p<0.0001)、
24時間拡張期圧が-8.5±5.1mmHg(p<0.0001)。
昼間と夜間の拡張期圧と収縮血圧はダークチョコレート群では、
いずれも有意に低下した。
ホワイトチョコレートでは血圧低下は見られなかった。

 FMDもダークチョコレート摂取後は、当初の7.4±1.4%から、
ほぼ正常値の8.9±1.4%になり、有意に改善された。
ホワイトチョコレートでは変化なかった。

 さらにダークチョコレートでは、HOMA-IRは有意に低下、
一方でQUICKIとISIは有意に向上。
OGTTの反応も有意に改善した。
空腹時血糖とインスリン・レベルは低下した。
CRPとICAM-1の値に変化はなかった。

したがって、ダークチョコレートは、
血圧を下げ、インスリン抵抗性を改善し、
血管拡張能を向上させることが明らかになった。

 著者たちは、一酸化窒素(NO)依存性の血管拡張反応の低下が、
血圧の制御異常と、インスリンに仲介されるブドウ糖取り込みの
減少を引き起こすとの報告に基づき、得られた結果は相互に
関係していると推測する。

また、チョコレートを食べると血中のNOおよびNO代謝のマーカーが
増加するという報告もあり、FMDの改善は、ダークチョコレートに
よるNOステータスの調節により得られた可能性があると述べている。

 研究結果は、摂取カロリーの総量と栄養バランスが崩れないよう
に食事に組み込めば、カカオ由来のフラバノールは健康利益を
もたらすことを示唆した。

が、今回用いられたダークチョコレート
(日本でも輸入食品店で販売されているRitter Sport Halbbitter)と、
他のチョコレートやカカオ製品の成分は同じではなく、
フラバノール含有量が非常に少ない商品もある、と著者たちは指摘する。

 板チョコを開発した英国人の年間チョコレート消費量は8.4kgで
世界4位、ミルクチョコレートを生み出したスイス人は10.3kgで、
世界一の消費量を誇る。
第2位はオーストリア、3位はアイルランドだ。
日本人のチョコレート消費量は1人当たり年間1.8kgとなっている。
これらの国の平均寿命は、というと、
日本が世界一、2位はスイス、3位はオーストリアで、チョコレートの
健康利益を信じたくなる。
ただし、食生活はバランスが大切であることは周知の通りだ。

MedWaveより
 本論文の原題は「Cocoa Reduces Blood Pressure and
Insulin Resistance and Improves Endothelium-Dependent
Vasodilation in Hypertensives」、


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