心筋梗塞や脳卒中、高血圧はサバ、サンマ、イワシなど、青魚を食べれば未然に防げる。
健康に関心のある方なら、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA
(ドコサヘキサエン酸)という言葉を聞いたことがあるでしょう。
いずれも多価不飽和脂肪酸と呼ばれる成分の一種で、魚の油に
豊富に含まれています。
脂肪酸は体内に入ると、プロスタグレンディンやトロンボキサン
という物質の材料になります。これらは生理活性物質と呼ばれ、
血液中の血小板の凝集を亢進したり抑制したりする(つまり、血液を
固まりやすくしたり、固まりにくくしたりする)重要な働きをしています。
生理活性物質が血液を固める方向に働くか、それとも固まりにくく
する方向に働くかは、材料となる脂肪酸の種類によって決まりますが、
EPAやDHAからできる生理活性物質は、全体として、血小板の凝集を
抑制する、つまり血液を固まりにくくする方向に働いてくれます。
このため、EPAやDHAが血液中に増えることは、心筋梗塞や脳梗塞
など、血栓症の予防に非常に有効であるとされているのです。
生理活性物質にはもう一つ、重要な働きがあります。それは、血管を
拡張したり収縮させたりする働きです。
EPAやDHAからできる生理活性物質は血管を拡張する方向に作用し
ますから、魚を食べてEPAやDHAを摂取することは、高血圧の人にとっ
ても望ましいことだといえるでしょう。
EPAやDHPは、おもしろいことにイワシやサンマ、サバやアジなど、
安価な青魚に特に多く含まれています。
問題は青魚をどのくらい食べれば、こうしたEPAやDHAの効果が期待
できるのかという点ですが、これについては、千葉大学医学部の研究
グループが興味深い実験を行っています。
14名の健康な人を二つのグループに分け、第一グループには市販の
サバの缶詰を毎日一缶ずつ、第二グループには二缶ずつ、それぞれ
7日間づづけて食べてもらいました。
その結果、二缶ずつ食べたグループのほうが、血液中のEPAや善玉
コレステロールの濃度が明らかに高くなっていることがわかったのです。
身近なサバの缶詰をわずか一週間食べただけでも、血液成分に明
らかな差が出てくるわけですから、日頃から青魚を積極的に食べるよう
にすれば、血栓症や高血圧の予防にかなりの効果が期待できるでしょう。
「血圧が下がる100のコツ」より
