「食塩を摂りすぎると高血圧になる」のウソ
10年ほど前の話である。ある県の知事が、高血圧が原因で亡くなった。すると、その県全体に「食塩の摂取量を減らしましょう」という勧告が出された。いったい、知事個人の病気と県民の食生活にどれだけの因果関係があるというのだろうか。いくら地方行政のトップだからといって、その地方に暮らす人間の体質まで代表しているわけがない。この勧告は明らかに過剰反応であり、たいていの人はばかげたことだと思うことだろう。
しかし、本当にあなたはこの話を笑えるだろうか。もと知事の死はともかくとして、この県が現実に高血圧患者の多い地域だとしたら、どうだろう。多くの人は、この勧告が当を得た正しいものだと思うに違いない。「高血圧になったら塩分を控えないといけない」という「医学常識」が頭にインプットされているからである。
だが、この話でいちばんおかしいのは、行政が過剰反応を起こした点ではない。「食塩を減らせ」という勧告の内容そのものが、とんだお笑い草なのである。基本的に、高血圧と食塩摂取量との間にはほとんど、因果関係がない。ところが、実際には、高血圧の患者に対して、たいていの意思が「塩分を減らしてください」と指示している。そういう医者には、この県が出した勧告を笑い飛ばす資格はないのである。
たしかに、食塩の過剰摂取が原因で高血圧になる人はいる。ただし、それが原因になっているケースは、高血圧患者100人のうちたった1人か2人という割合なのである。明らかに、少数派なのである。食塩に含まれるナトリウムは、体内に水分を保持させる働きをしている。その濃度が高くなると体液が増え、その結果、血管を通る血液の量も増えて血圧が高くなるのは事実である。しかし、高血圧の原因はけっしてそれだけではない。
にもかかわらず、画一的なマニュアルに沿った治療しかしようとしない医者は、すべての高血圧患者に減塩を指示する。しかし、そのマニュアルが有効な患者は全体の1〜2パーセントにすぎない。残りの98〜99パーセントには効果がないどころか、逆に必要な塩分が不足して健康を損ねてしまう恐れまである。こんな愚かなマニュアルが「常識」として”日本の医師全般”に通用しているから、私は医者を信用できないでいる。
こちらの書籍から紹介させていただきました。
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医学常識はウソだらけ改訂版
